ある朝、謎のレシートを発見
「……え?」
寝ぼけた頭でテーブルを片付けていたら、そこに一枚のレシートが置かれていました。
金額、6万円ちょっと。
思わず二度見。いや、三度見。
「なにこれ、どういうこと?」「え、なんのお店?」「カード明細……?」
小さな紙切れ一枚で、
私の頭の中は一気にサスペンスモードへ突入しました。
うちの夫、お酒が好きなんです
夫はお酒が好きです。
気分がのっていると、つい飲みすぎてしまうこともしばしば。
以前は電車で寝てしまってどこかに行ってしまったり、
お財布を落としたり……そんな“武勇伝”もあります。
仕事と家庭の切り替えが苦手で、嫌なことがあると内にこもるタイプ。
育児も「やるべきこと」として向き合ってくれてはいるけれど、
感情に寄り添うのは少し苦手な人です。
でも「ニコニコのパパになる」という目標を持って、
日々努力している姿も見ているので、
ストレスがたまりすぎる前に発散しに行くことは、私も理解しているつもりでした。
それにしても、6万円は高すぎない?
だからと言って、一晩で6万円は高すぎませんか?
何があったのか、どこへ行ったのか、そもそもこのレシートは一体……?
朝の忙しさと、育児のタスクと、心のザワザワが同時に押し寄せ、
私はもう、脳内で事件編成中の探偵さながら。
でもその時の夫は、なんだかぼーっとしていて、話しかけても反応が鈍い。
お酒の匂いも思ったよりしないし、二日酔いって感じでもない…。
いや待って、私、鼻づまりだったわ。わからないじゃん。
そんなセルフツッコミをしながら、私の一日は、ちょっと変な緊張感の中で始まりました。
わたしの一日、感情が大渋滞
日中はパートがあるし、息子も風邪気味で手がかかるし、
そのうえ私も本調子じゃない…。
「聞くのが怖い」「でも知らないままでいられない」
この矛盾した気持ちを抱えたまま、いつも通りの顔で過ごすのって、実はすごくエネルギーを使います。
しかも、夫はというと——
レシートを見せた時点では、「帰ったら話す」とだけ言って出勤。
この時点で私は確信しました。
あ、これは“何かあるやつ”だ。
夕方、ようやく帰ってきた…と思ったら、
今度は「仕事でトラブルがあって遅くなる」と連絡が。
もうね、「今日中に真相が聞けるのか問題」が発生です。
そんな中でも、私は怒りを押さえつつ、晩ご飯を作って、息子を寝かしつけて、
やるべきことをやりきった。立派です、私。
そして夜、事件の真相が明かされる
ようやく落ち着いて話せたのは、夜遅くなってから。
夫の口から出た言葉は——
「たぶん…ぼったくられた」
……えっ?
えぇぇぇ!?!?!?!?
あれだけ悩んでたのに!?
あんなにあれこれ想像してたのに!?
なぁ〜〜〜んだ!!!!(よくないけど、よかった〜!!!)
思わず笑ってしまいました。
あまりにホッとしたのと、気が抜けたのとで、
晩ご飯を食べられなかったことすら、もうどうでもよくなってきて。
少し広がった、わたしの器
心配した一日をふり返ってみると、
「6万円の使い道」そのものよりも、
“言ってくれない不安”が一番しんどかったのかもしれません。
でも、私も成長したなと思うんです。
前だったら、もっと感情のままに怒っていたかもしれない。
でも今回は、気持ちを整えて、受け止めて、ちゃんと伝えられた。
だからこそ夫も、“怒られる”より“伝える”を選べたのかもしれない。
良くないけど、よかった。
ぼったくられてたけど、それがわかっただけで、私は救われました。
ということで、これが我が家の「6万円レシート事件簿」の一部始終です。
涙あり笑いあり、鼻づまりあり。
今日も人生、ドラマチックですね☺️