※この記事は筆者の体験談をもとに書かれています。AIの活用は個人の感覚によって異なります。
目的に応じて、必要な場面では専門家の助言や一次情報をご参照ください。
検索って、結局“言葉探し”だった
AIと話していて、ふと思い出したことがあります。
それは、大学・大学院時代に卒論や修論の文献探しに四苦八苦していた頃のこと。
当時、私は音楽療法を専門に学んでいました。
もちろん音楽療法関連の本や論文もたくさん読んでいたのですが、「この感覚を表すぴったりの言葉がない…!」と、もどかしく感じる場面がよくありました。
言いたいことはあるのに、専門分野の中では遠回しな表現しかできず、
検索しても求めている内容にピタッと当てはまる論文がなかなか出てこない…そんな日々。
ところがあるとき、理学療法の専門書をたまたま開いたことで状況が変わりました。
そこに載っていた、私にとっては“隣の分野”の用語が、まさに探していた表現だったのです。
その言葉で検索してみたら…
今まで見つからなかった論文が、スルスルと出てくるようになったんです。
ぴったりの言葉は、分野を越えて見つかることもある
このとき私は初めて「検索って、言葉探しなんだ」と実感しました。
いくらたくさん調べても、使っている言葉の枠から出なければ、辿り着けない世界がある。
そして今、AIとのやりとりの中で、あの頃の感覚を思い出したのです。
たとえば、あるテーマについて話していると、「それって、こういう言葉でも言い表せますよ」とAIが別の視点から提案してくれることがあります。
それがまさに、今の自分が欲しかった“検索の鍵”だったりするから驚きです。
ただその一方で、会話がどんどん広がってしまって困るという場面もありますよね。
そんなときは「風呂敷を広げすぎ…」と感じたエピソードもあります。 ▶ 会話が広がりすぎたとき、どうする?試しに制限してみた話
AIとウェブ検索、それぞれの“視野”の違い
ここで少し、AIとウェブ検索の違いについて、私なりに整理してみました。 使い方 ウェブ検索 AIとの会話 目的がはっきりしている時 ◎ ピンポイントで調べられる △ 広がりすぎることもある 何を調べたらいいか分からない時 △ 検索語が浮かばないと難しい ◎ 会話からヒントをもらえる アイディアが欲しい時 △ 情報の海から探すのが大変 ◎ 思いがけない視点がもらえる 正確な情報を探す時 ◎ 公的な情報や専門機関が見つかる △ 情報の裏取りは必要
どちらにも強みと弱みがあるからこそ、大切なのは「今の目的に合った使い方」をすること。
そして、言葉に迷ったとき──
AIとの会話の中で、自分が本当に言いたいことに近づいていくことがあるんだと、改めて感じています。
“ぴったりの言葉”が見つかることのありがたさ
シソーラスや類語辞典があっても、言葉って単語レベルで引けないと出てこないことが多いですよね。
文章で思いを伝えたら、「それって、こういう言い方もできますよ」と返してくれるAIの存在は、本当にありがたいなと感じます。
あのとき理学療法の本に出会ったように、
今はAIが“別の分野の地図”を見せてくれる。
そんなふうに考えると、少し心強くなります。
きっとまた、表現に悩んだり、ぴったりの言葉が見つからない場面がくるかもしれない。
でも、そんなときには
「言葉探しの旅の相棒としてAIを使う」のも、ひとつの手だと思うのです。