ドラムサークルってご存知ですか?
音楽療法の現場でもよく取り入れられている活動のひとつで、輪になって自由に打楽器を演奏し、即興的に音を楽しむグループ音楽活動です。リーダーの進行はありますが、基本的には「正解のない音の会話」。リズムがつながることで、世代も背景も超えて自然な一体感が生まれます。
私も音楽療法士として、ドラムサークルのファシリテーターをすることがあります。参加者同士が言葉ではなく「音」でつながるあの瞬間がとても好きです。
1.参加のきっかけは家族での体験
夫に私の仕事を知ってもらいたいという思いもあり、10ヶ月になった息子と3人で家族でドラムサークルに参加しました。保育園などにもまだ通っていない時期で、家族以外の人たちと過ごす貴重な機会になると思ったのです。
主催者の方は私の知り合いで、「赤ちゃんも大歓迎ですよ」とミニドラムやカーペットを用意してくれていました。参加者は主にシニア世代。あたたかく迎えていただけてとても安心しました。
2.音でつながる体験
初めての場に戸惑いながらも、息子は太鼓にそっと手を当てて振動を感じていました。音楽に触れるのは慣れていることもあり、少しすると自分から叩き始めました。
印象的だったのは、息子がまわりの大人たちの様子をよく観察して、真似して太鼓を叩いていたこと。まるで「音の会話」に参加するように、模倣しながら音を楽しんでいたのです。
そして、自分も一緒にできたという嬉しさからか、とても穏やかで嬉しそうな表情を浮かべていました。輪の中をハイハイして進み、おじさんのところまで辿り着くまで、まわりの方々が彼に合わせて音を奏でてくれるという、まさにその場にいるすべての人が自然に関わり合う優しい時間でした。
帰り道、参加者の方に声をかけられても、普段は人見知りして泣いてしまう息子が、このときは泣かずにそのままにっこり。音を通して「安心できる場」を感じられたのかもしれません。
3.赤ちゃんが主役じゃなくてもいい
ドラムサークルは子ども向けイベントではなく、大人が主体の活動です。けれど「今ここにある音」「今ここにいる人」を受け入れてくれる器の大きさがあります。
赤ちゃんが輪の中を動き回っても、それすらも即興のリズムに取り込んでくれる。この「誰かを排除しない」雰囲気が、私がドラムサークルを好きな理由のひとつです。
4.ママのストレス発散にも
何より、太鼓を思い切り叩くことそのものが気持ちいい!出産後、なかなか自分の時間が取れないなかで、音で自分の感情を表現できることはママにとっても大切なセルフケアになると思いました。
5.息子にとっての意味
この日、息子は初めて「家族以外の人たちと、音でつながる体験」をしました。模倣を通して「自分もできる!」という自信を感じたように見えましたし、輪の一員として認められる体験は、彼にとって大きな心の栄養になったと思います。
ドラムサークルは音楽活動というだけではなく、こうした人との関わりや感情の交流が自然に起きる場でもあります。だからこそ、私はこの活動が大好きです。
次回は「ミュージック・トゥギャザー」に家族で参加したお話をお届けします♪
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